映画とアニメと。

映画・アニメの紹介とか感想。映画もアニメもどこかで誰かが作品を通して何かと繋がる力があると思ってます。

Love Letter:少しセンチメンタルな話が好きなようです。

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『Love Letter』(1995年/岩井俊二監督)

 

アニメの一番やったので、次は邦画で大好きな作品。
映画を真剣に学び始めた時に友達からまず岩井俊二監督を教えてもらって、
花とアリス』『リリイ・シュシュのすべて』『if もしも〜打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を見た後にたぶん見て、また見たのか!って言われるほど1年で繰り返し見た時期があった作品。
監督の長編デビュー作であります。

 岩井俊二監督は、今話題…という言葉では足りないほど大ヒット中の『君の名は。』にspecial thanksで
テロップ入ってましたね。先述の2作品はよく代表作にあがって、観てないけど最近は『リップヴァンウィンクルの花嫁』がありました。思春期の子ども心から大人の恋愛模様まで描いてるだなんて言うと、よくあるザ・青春恋愛映画みたいなイメージに繋がりそう(笑)。
 爽やかな柔らかいタッチの映像で、カメラワークでさえ私は柔らかさを感じてしまう不思議な世界に引きずり込みながら、一方でその内容は、人の心のさらに奥に潜めているものをじわりじわりと出して、ズシンと心にのしかかる衝撃と解放感を残していく作品性だと思います。
て言いつつ、今回紹介する作品と、さほど評判話題にならなかった『新しい靴を買わなくちゃ』は、過
去との決別と新たな出会いを描いてたりする恋愛映画なんですけどね。

まあまずは、あらすじ引用-----
婚約者の藤井樹を亡くした渡辺博子は、忘れられない彼への思いから、彼が昔住んでいた小樽へと手紙を出した。すると、来るはずのない返事が返って来る。それをきっかけにして、彼と同姓同名で中学時代、彼と同級生だった女性と知り合うことになり……。

 

以下、ネタバレ含みます。


樹2人いるので、樹と藤井くんにしてます。

 
 何が好きって、時代を感じるよね。まさにひょんなことから手紙を送った相手(しかも同姓同名の女性!)と文通を始めるという。届くはずのなかったラブレターから返信が来るなんて何かの縁かもしれない。だって見えないお互い同士だけど、藤井樹を知っているという共通点があった。そして知らない中学時代の藤井くんを知りたくて博子は尋ね、樹は懐かしむようにその思い出を綴っていくのが印象的。

 博子と樹の二役を演じた主演の中山美穂さんが可愛い。20年前から今も色あせない可憐さ。でも、可憐さのなかに元恋人を忘れられない切なさや儚さ、中学時代を思い出してノスタルジックに浸ったり、ハキハキしてる女性を見事に演じていらっしゃる。

 博子が知らない中学生時代の藤井くんを、あまり思い出という思い出がなかったくらいの記憶しかない樹から聞くんですよ。そりゃそうですよね、思春期あたりで同姓同名の異性いたら、凄い仲良くなるか口聞かない相手になるか両極端だと思う。それに藤井くんはまたすぐいなくなるし。

 知っているのは同じ人のはずなのに、まったく異なる印象を持って、共通点もないような生活を送っているなどすべて正反対に描かれているのが、一人二役やっているから余計に鮮明になっていって。
 

 そして、博子に想いを寄せてる友達の男性がまた一途。博子は、藤井くんの暮らした街はどんなところだったのかな?樹さんてどんな人なのかな?って不安と期待と色々なものが混じり合ってる旅をするんだけど、その友達が、元恋人を忘れられずにいる相手を見守って一緒に北海道まで行くからね。大人の恋愛はここだけなんだけど、大人になればなるほど、自分の知らない相手の過去があるんだよね。

 確か藤井くんの実家でアルバムを見るんだよね。そして気づく…顔が似てることに。もちろん博子の事は好きだったんだろうけど、でも思わずにはいられないよね、「もしかして昔の想い人に似ていたから」なんてこと。そして樹は、そんなこと微塵も思ってない。何も起こらずに記憶の片隅に消えていた過去。
 でも藤井くんが暮らした街を知り、一方的に樹を見かけ、博子はお別れをする。もう会えない藤井くんに。そして北海道の大地で叫ぶ。

「お元気ですか?」
返って来るわけがない相手に、誰もいない場所に叫ぶ。ここ本当に大好きな場面なんです。名シーンであり大好きなんです。お元気ですか?って、うまく言えないけど、物理的にも心的にも距離が離れてる相手に言うよね?普段連絡をとってる人には言わないし。まるで、墓地、お墓まいりに行った時に、墓標に向かって語りかけるような。北の大地に、空にきっと藤井くんはいると思ったんでしょう。届くと思ったんでしょう。そして博子は新たな日々へ歩き出すのです。

 博子の藤井くんへの別れだけじゃありません。クライマックスへ続く?私が一番好きシーンへ続く母校の中学校での話。(…わたしの記憶が曖昧だ……)手紙のなかで博子に促され母校の中学校へ。そして懐かしむ思いで図書室へ。そこにいた今の図書委員の女の子たちが
”伝説の人物=藤井樹”を前に大歓喜図書カードに書かれた一番多い名前だった人物だったからです。でも、その図書カードに書いたのは樹ではありません。藤井くんです。中学生たちは揃って「あなたの名前を書きたかった」と言います。つまり、好きな人の名前を書きたかったということ。

 信じられない。藤井くんに限ってそんなことあるわけがないと思う樹でしたが、ある日、図書委員の中学生たちが家に訪ねにきます。ある本を持って。タイトル…「失われたと時を求めて」(すみません検索しました)。それは、藤井くんが転校する直前に図書室に返しておいてほしいと、樹に渡したものでした。なぜ私だったのかと思った当時を振り返ります。
 ここまで来ると、藤井くんは樹が好きだったんだことは丸分かりなのですが、それだけで終わりません。藤井くんが渡したのは本、ではなく、その中の図書カードに詰めた想いだったのですね。図書カードの”裏”には樹のデッサンが描かれていたのです。気づくかよ!って話ではありますが、気づいてほしいし、気づかずにいてもほしいという淡い淡い恋心だったのでしょう。

 偶然始まった文通。そこで語られる藤井くんの存在。それまで藤井樹という人物像が2人の回想を交えてふわりふわりとしていたものから、彼がどういう人だったのか鮮明なります。そして樹の藤井くんとのイマイチ掴みきれなかった関係も含めて私の視界がバーっと開けたような感じがしました。

 

今回も文がひどい。泣
でもこれ以上いまの私では引き出しがない。

 

 

作品性としては、少しセンチメンタルな話が好きなようです。