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映画とアニメのその先へ。

映画・アニメの紹介と感想。作品のその先で、どこかで誰かが何かと繋がるのを期待して。

君の名は。:(その1)オススメは、しますよ。

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君の名は。』(2016年/新海誠

 

先に言いますね、別に自分の意見変えるつもりありませんが、胸クソに思う人もいるだろうからね。
※ややネタバレ有り。※これは褒めちぎっておきますね^^

 →この作品を高い評価しない理由は分けます。長くなるので次に。

それでも3回は見てるんです。元々新海作品は好きだし、周囲で新海誠というクリエイターを知らない人が多くて私はこの10年近くずっと推してきました。劇場の予告でも見ていてさすがに全くの情報無しには見れず、なんとなく展開も読めるけど新海作品は見る使命感があるので行きました。

今回は「オススメ」する方向から感想を述べます。
ただ、この感想も皮肉ってるように聞こえる部分があるのですが、まあいいでしょう。ちなみに、
1回目は、情報をほぼ無しに期待値を上げすぎず。
2回目は、1回目で腑に落ちなかったところもあるので。
3回目は、久しぶりに友達に会う時に観る事になって、友達に会えるしもう一回観るか

まず9月の3連休が終わり興収が90億を超えたそうですね。
まあそりゃあのスタートなんだから100億は行くと思ってたのでもう驚きません。
でもそのくらい国民的映画になったということで、話題性としても見ておいていいんじゃないかな。
しかもそれが、”アニメ”だからです。普段アニメを見ない人も巻き込まないとこの数字は出ません。
これまでジブリが引っ張ってきたアニメーション映画に踏み込めた事はとても大きいと思います。
正直、宣伝勝ちでもあるんですが。

☆鮮やかで緻密な背景描写
 昔から私は、新海誠の描くアニメーションは、背景描写と光の使い方がとても緻密である事と、
少年少女の奥深くの大人が思う以上に複雑な感情だったり、青春が止まった大人の描き方がアニメーションでうまく描かれているんだという事を周囲には言ってきたので(本当です)「ついに大々的に来たか」という思いがありました。
 さて、その映画ですが、言わずもがな背景綺麗だし、あの殺伐としたような新宿に生命が宿ったみたいで、心奪われる彗星は映画館の大きなスクリーンで観る価値はあります。常々、映画は映画館で観てナンボな精神でいる私にとっては、本当にこれは映画館で観ないと損です。そして、彗星が落ちるとこの<<キーーーーーーーーーーーーーーーーーン>>もいいSEだと思います。何かが変わるそんなブラックアウトが。

☆結び、という題材
 正直、タイムパラドックスが気になってしょうがなかったのですが、結びの説明でばあちゃんが「人も時間も結び」である事を話すなかで、細かいところ忘れたけど、”時には戻って”という事も言っていて、結びが非科学的なことを肯定していたから矛盾はしないんだね。パラレルワールドみたいな事ね。(ご都合主義なんてフィクションなんだから言ってもしょうがないよ。)人と人の結びは別段言及するほどでもないな。テーマだし。

☆ひねり無しにハッピーエンド
 何も考えず、少年少女の青春恋愛映画としては良い出来なのではないでしょうか。デートムービーになるくらいなので(あ、そう)。今時の少年少女が、非現実的な事に遭遇して、自分の狭い世界から抜け出して、恋に気づいて、思い出せないのに忘れられない初恋を胸に大人になって再会してハピエン。
秒速観ていた人には、新宿のすれ違いが「あ・・・」って思った人も多く、だからこそ、あの秒速にはなかったすれ違いで終わらないエンドが、今までの新海作品のカタルシスとなり、新規ファンには極上の恋愛映画になったのでしょう。
 「いつ恋愛感情に気づいたの??」と思う人も多いみたいですが、いつの間にか落ちているのが恋だったりもするし、短い期間だけど相手の生活をして相手の人間関係や性格を知ってるから、それだけでも十分だったと思う。大人になっても忘れられない、でも明確には思い出せない想いもあるものなのでしょう。そういうのが、これから大人になる若者に、昔少年少女だった大人たちの心に響いたのかと思います。

☆新海監督の新境地
 単純に、あーこの人もエンタメ作れるんだ、というところが一つ。OP入れたりしてアニメ映画慣れしてない人も入りこめましたから。それに歌詞ありの曲が4曲でしょ?これは新しさがある。
 そして、これまで憂鬱な描写もあったり、ハピエンでない(よく言われる、物理的距離&心の距離)ことが多くて、今回も…という予測が立てられたなかで、私がここだけは今までと本当に違うと思ったのが、
”男が会いに行った”というところです。
ほしのこえ(これは宇宙も絡むので物理的距離がありすぎるんだけど)では、ノボルにはミカコに会いに行く術がない。会いたくても会えない。そしてもしかしたら来るかもしれないメールを待つだけ・・・・・。
秒速5センチメートルは、タカキが抜け出せない思い出を引きずってるのが全面的に出ていて、一応中学生の時に電車を乗り継いで会いに行っているんだし、行こうと思えば会えたけれど確実に思いが伝わってタカキもアカリも会いにいけないこともないのにいかなかった。
雲の向こう、約束の場所は、会いに行くとかそういうのとはちょっと違うけれど、やはり女の子ありきというか、消えてしまったものを再生することはなく。
言の葉の庭は、物理的距離は無いけれど、交わるようで一瞬交錯しただけでやっぱり距離があって、男の子も近づけない大人の女性との人生の重さというか心の距離に身を引いて終わり。
(誤解されないように言いますが、どの映画も切ないけれどバッドエンドだとは思ってません。)

それが、『君の名は。』では、連絡がつかなくなって記憶が曖昧になり、それでも過ぎていく日々のなかで見えない何かを探し続けた結果、瀧は三葉に会いに行くよね。口噛み酒を飲んで時も超えたよね。入れ替わった後も御神体まで走ったよね。三葉も3年前だけど思いつきで東京に行ったよね。
つまり、これまでと徹底的に違うところは、

その気になれば、会いに行ける。ことを体現した映画だと思います。
ほら、今ってすぐ連絡とれることが当たり前じゃん。
なんで行かないの?とか思わせるより、会いにいった!どうなるんだろう?というほうがエンタメとして成り立つよね。大人も会えなかった鬱憤よりは、昔会えなかったから会いにいってほしいという感じがわかりやすいよね。


そういう映画を作るようになったか。
国民的映画、国民的アニメ映画監督になったか。 という気持ちです。

素直におめでとう、と言わせていただきます。実際嬉しい。


そして次回予告。
「こんなに大成するとは思わなかったよ!あの頃の新海はどこへ?今までのはなんだったの?もうマイナーな監督とは言わせない。次は何を作るのだろうか。日本のアニメ映画の未来は明るいね!」
次回、「さらば新海。」