映画とアニメと。

映画・アニメの紹介とか感想。映画もアニメもどこかで誰かが作品を通して何かと繋がる力があると思ってます。

ウォールフラワー:踏み出す勇気。青春の始まり。

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『ウォールフラワー』(2012年/スティーヴン・チョボスキー監督)

 

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さよなら、壁際の僕。
チャーリー、16歳、友達0人。
彼の高校生活は2人の"はみだし者"との出会いによって一変した。

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スクールカーストでも表せないようなヤツらの青春。
(そもそもスクールカーストに興味がないと言ってもいい)

甘くて苦い青春。
ママレード・ボーイではない)

公開当時、就活か何かで時間が合わないまま、
気づけば終わっていた本作をついに見ました。
社会人になってはや数年。
見よう見ようと思うも心の余裕がないと見れなそうで手に取れずやっと。

 

タイトルとキャッチコピーで想像つく人はつきます。
残念ながら私はどうしてタイトル<直訳:壁の花>なのかわかりませんでした。
壁の花ってなんぞ、と。青春の表現なのか、作品の中にでてくる何かなのかと思っていました。
だからこそ、"ウォールフラワー"という言葉が出てきた場面が
とても印象に残り大好きな作品となっていたりもしています。

 

おそらく、このキャッチコピーから好き嫌いは分かれるのかなと。
真っさらに何も考えられず見れるのであればいいと思いますが、
奥手な部分や、過去の記憶・トラウマ、恋愛の初手がわからない等々
こういう人もいるということを理解できなければおもしろくないと思います。

主人公・チャーリーにとってサムとパトリックは、
学校の真ん中で輝いてるような存在ではないし、
仲間たちは世間的に見れば流行りに乗ってるわけでもなく、
大きく外れてるわけでもない。
でも自分たちが楽しいおもしろいと思うことに
真っ直ぐに楽しむ眩しい存在なんです。
閉じこもることを止め、外に踏み出そうとしたチャーリーにとって憧れの存在になる。

そしてパトリックが主人公を思い言った言葉
(パトリックは皮肉も含めてたらしいけど)。

チャーリーは"ウォールフラワー"だと。

壁際にいて誰の目にも止まらないと思っていた僕を見つけてくれた瞬間。
チャーリーの青春が始まった瞬間。
たった一歩から始まった青春は主人公を広い広い世界に連れ出してくれます。

しかし大人になっていく仲間たち。
将来を決めていく仲間たち。
時々、優しい家族との間に垣間見える主人公の過去が
じわりじわりと影を落としていき、そして。

 

ああ、青春には必ず終わりがくるのだ。

 

先に述べたように、この作品は理解できる人もいれば出来ない人もいるでしょう。
どの作品でもそうかもしれませんが、
中には「主人公の生き方が理解できない」ような人もいるのかもしれません。
誰もが真ん中に立てるわけではない。
でも楽しんだ時、楽しんでる時、間違いなく自分の中では
そこが自分にとって最高のステージだったのではないでしょうか。

誰が判断してもしょうがない。
だって、彼らはその他大勢からの個人的な価値基準なんて興味ないのだから。
自分たちの生活を楽しみ、将来に不安を抱えながら生きていく。
青春だなあ。

 

私は可もなく不可もない普通の学生生活を過ごしてきました。
勉強をして部活をして。友達もいました。
ただ、楽しいと思うことを理解されないことや、
うまく友だち付き合いが出来ないこともたくさんありました。トラウマだってあります。
だからかもしれない。
主人公が代わりに新しいページを開いてくれた冒頭から応援したくなりました。
その先に甘くて苦い時間が待っていようとも。
青春映画とはいえ、どう繕っても綺麗な話だけにはまとまりません。
大親友となった仲間も問題は抱えていて、
それを包み込んで一緒にいてくれる相手を誰しも必要としていたんです。

 

大事な存在だとはっきりそれが分かるのは、
一緒にいる瞬間じゃない事の方が多いと思う。その瞬間は楽しんでいるだけだから。
それも大切なのだけれど。
チャーリーが、サムが、パトリックが、独りになってしまったときに声をかけられる、
側にいてくれる、連れ出してくれた時に、お互いが大事な大事な友であるとわかるのでしょう。
そして青春は新しく始まるのだろう。

 

と、最後の最後には少し苦味を残した、でもすっきりした感覚になって、
なにこれ!好き!というキラキラした映画になりました。
目を開いて笑顔でエンドロールを迎えたその時の私の顔を見せたいくらい。

 

最後に。この作品を見ようと思った最大の理由は、役者。
エマ・ワトソンはもちろんのこと、当時出てきたくらいかな?
注目していたローガン・ラーマン、エズラ・ミラーという3人の共演は
とても私にとって嬉しくてしかたのないもので、
本作での彼ら3人の男女の壁を乗り越えた友情は心を温かいものにしてくれました。

 

桐島、部活やめるってよ』の感覚にもほんの少し似ている。
学校の下の目立たない存在が躍り出るという。
しかし、この作品は上も下もないんですよね。
この作品は見えていない存在から始まるのだから。

 

誰からも目に止められなかった僕。
でも受け身な僕を止め、少しだけ踏み出したところから、
そして見つけてくれる相手に出会えたところから物語が動きだした。
その一歩が大きな一歩になった。

 

一歩を踏み出すって大事。

 

 

 

 

おわり。