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映画とアニメのその先へ。

映画・アニメの紹介と感想。どこかで誰かが作品を通して何かに繋がると思ってます。

素晴らしきかな、人生:あなたの幸せのオマケはなんですか?

page.17

『素晴らしきかな、人生』(2016年/デビット・フランケル監督)

原題がCollateral Beauty...

Collateral:付帯的な、二次的な

この意味が示すものはいったい…。先の方で独自解釈してます。
ていうか邦題が秀逸。

 

ローリングストーン誌ではワースト映画を選んだ例の記事で3位ではありますが
まあローリングストーン誌だし気にしないで見てほしい作品。
ただお涙頂戴というのはわからなくもないし、わかっていて行ったのもあります。
あからさまなお涙頂戴映画は好まないのですが、これは悲しい映画ではない、
むしろ別れを受け止め、乗り越え、今を生きる希望を見出す物語。

主人公の前に突如として現れる擬人化(が正しいかなあ?)した抽象概念たち。
死 時間 愛
それは主人公が人生において大切なものと位置づけた概念でもあったのです。
概念とはいえ字だけ見ても本当になんてアバウトな存在なんでしょうね。
なんだかファンタジックな作品に見えるのですが、、、というか私がそう思ってたのですが、実は、
心を閉ざしてしまった主人公を引き戻すため優しさが作った現実世界であり、
同時に、友のためにも現実を突きつける…苦渋の決断の結果作られた世界でもあるのです。
すべては彼に現実を受け止め、彼の人生を生きてほしいから・・・。

そして彼もまた徐々に歩みを進めようと踏み出します。

主人公も友人も概念と呼ばれる者たちも、誰かが誰かを思う気持ちで出来た映画。

ベタだっていいと思います。
それぞれが出会った「死」「時間」「愛」は避けられないもので、
主人公が言うように人生で必要不可欠なものなのでしょう。
一度は手放そうとしたものかもしれないし、手放したかもしれない。
今わからなくてもこれからわかるかもしれないそんなもの。
形も大きさも人によって変わるものでも無視できないものを温かく教えてくれる、
見た後にちょっとほっこりしちゃう物語でした。

特に印象に残ったのが主人公ハワードを演じたウィル・スミスの表情。
彼が訴えてくる感情が胸に響いてくる。
言おうにも出てこない言葉の重みや、何をしても埋まらない喪失感、
話そうとするだけで涙が出そうになる感じをその目、口元ですべて表していました。

そしてドミノ。

ドミノ倒しのドミノ。

ドミノへの熱中が彼をどれほど変人かと思わせるか、
積んだところで倒すというドミノのやるせなさなどありますが、
途中倒れたらまた並べて積んで形をつくって倒して完成への過程が
再び立ち上がっていこうという比喩にもなってるんじゃないかなーーーーーー(持論)。

最後に。同じ境遇に遭ったマデリンが言う”幸せのオマケ”とはなんでしょうね。
愛する人を亡くしてなお幸せと言えるのか。そのオマケは愛する人を亡くさなければ手に入らないのか。
このオマケって可愛く言ってますが、原題にありましたね、
<Collateral:付帯的な、二次的>これ。
亡くした人が残してくれたもの、無くなったものとそれでも無くならなかったもの。
これが幸せ!というものじゃなくて、ほんの少し見方を変えることで
今まで気付かなかったちょっとした幸せが見えてくる。それがオマケってことなのかなと思います。

あ。あのマデリンが会ったというおばあさん、いったい何者なのかなあ。
どこからどこまでが本当なんだろうって深追いせず、曖昧にしておくのもまた一興。

 

わたしの幸せのオマケはこれから見つけます^^
あなたの幸せのオマケはなにかしら?

 

 

 

以降ネタバレあり!!!!!!!!

 

 

 

 

 

ナオミ・ハリス演じるマデリン 。
最初は二人が同じ境遇で少しずつ惹かれあっていくのかなとか思っててすみませんでした。
ものすっごく全てが繋がって震えた。泣いた。
それにハワードが見ている以上に悲しみのなかにいたことに気づいた。また泣いた。
冒頭から時折出てくる娘との映像が再生されてるのを見て、
「娘の名前は?」「どうして亡くなったの?」「他人に戻れたら…の手紙」
すべてがこの瞬間のためにあって、マデリンもずっと待っていて、胸が締め付けられました。

そして、友人たち。キャスティング最高です。
エドワード・ノートンケイト・ウィンスレットマイケル・ペーニャ
仕事仲間として、それ以前に友人として自分たちが出来ること。したこと。
か ら の !!!!
ハワードが彼らに感謝を述べながら伝えた想い。
彼はすべて知っていた。彼らが悩んでいたことを。そして望む彼らの幸せ。
まずここで涙腺は崩壊してましたねえ・・・。

何かに絶望しかけたとき、人生に少し疲れてしまったとき、
幸せのオマケを探しにいきましょう。

 

 

おわり。